Hungarian Rhapsody Nr.2(ハンガリー狂詩曲第2番) 2004年度記念祭
&
第24回定期演奏会
作曲 Franz Liszt(Albert Franz Doppler / Karl Muller=Berghaus編曲)
作曲時期 1846年〜1885年(ピアノ曲《ハンガリー狂詩曲》全19曲を創作)
初演
所要時間 10:44
2004年 / 井上博文指揮都立西高等学校管弦楽部の録音
編成
Fl Picc Ob Cl Fg Hr Tp Cor Tb Tub Timp Harp. 打楽器
2 × 2 2 2 4 2 × 3 × 2(1人) 5 1 トライアングル グロッケンシュピーゲル 大太鼓
'・*:★独断と偏見に満ちた雑文的楽曲解説★:*・'
アノをやっている、あるいはやった方はご存知であろう、この曲は元はピアノ曲である。しかも、それはそれは難しい曲だとかどうとか・・・・。

ョパンと並ぶロマン派を代表するピアノ曲作家リスト。かれ独自の音楽観によって創られた数々のピアノ曲は実に個性的である(もちろんこのハンガリー狂詩曲とて例外では無いであろう)。というのもリスト自身がハンガリー人であるということが大きな理由である。ハンガリー音楽というのを僕は理解しているわけではないが少なくともベートーヴェン・メンデルスゾーン・シューベルトといった作曲家の曲とは確実に異質であるということは感じる。民族的なのである。

れはそうとリストはなにもピアノ曲に限って作品を残したわけではない。管弦楽曲でも非常に優れた作品を残している。標題音楽の集大成《交響詩》というジャンルを打ち立てたのもこのリストであるというのは有名な話で、レプレこと交響詩『前奏曲』(レ・プレリュード)や交響詩『マゼッパ』など数々の交響詩を残している。

てハンガリー狂詩曲は、この第2番に限ったことではないがハンガリーの民族舞曲チャルダッシュを基盤としており、緩やかな導入部ラッシューと急速で熱狂的なフリッシュの二部形式となっている。全19曲ものハンガリー狂詩曲のうち2,5,6,9,12,14番の6曲は、ハンガリー田園幻想曲でおなじみの愛弟子ドップラーと共に作曲者自信の手によってオーケストレーションされた。しかし今日最もよく演奏されるものはそれをさらに大きい管弦楽用に編曲したミュラー=ベルガハウス版が最も多いそうだ。ちなみに原曲のピアノ版と調が異なっている。ピアノ版は嬰ハ短調だそうだ。

成はチャルダッシュ型二部形式。Lento acapriccio・ハ短調・4分の2拍子のラッシュー部が堂々と幕を開ける。弦楽・クラリネット・ホルンのユニゾンという非常厚い響きが印象的である。3回にわたるクラリネットのソロは適度の緊張感、そして安らぎを与える。オーボエのソロを皮切りにVivace・へ短調・4分の2拍子のフリッシュ部に突入する。オーボエに続きホルンの民族的な旋律も甘美である。フリッシュではリスト特有の半音階導入やまるでお祭り騒ぎのように大合奏で実に華々しい曲となる。実に明るく聴きやすい一曲である。

MIDI(ピアノ版)

mp3(井上博文指揮西高管弦楽部)
ハンガリー狂詩曲第2番

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