●ミッチーのラコステ●

[NPO用語大辞典] [NPO人名大辞典]

○第10回 決戦前夜

「タイタニック」って映画を観た事があるだろうか。
大まかに説明すると、豪華客船が氷山にぶつかり厳寒の海に沈んでしまうお話。

その中に、船付きの弦楽団が出てきて、彼らは船が沈み始めた時、人々の気持ちを落
ち着かせようと演奏を始める。でも「もうこれ以上は危険だ」という事になって、一
度は演奏を終え、逃げはじめる。
ところが再び誰からともなく演奏は始まり、その時一人がこう言う。
「君たちと演奏できた事を誇りに思う。」
そして演奏は続いていく。

それを見て、「あ〜この最後の演奏こそ、本当に最高の演奏だろうな…」と、ふと
思った。

定演が終わっても船は沈まないけど、やっぱり自分にとって本当に大切な舞台だし、
そこで最高の演奏をしたい、できたらどんなに幸せなことか…とも思う。
だから、定演の前に伝えておきたい。

今までみんなと一緒に管弦楽部で演奏してこられて、本当によかった。
結局トランペットはさっぱり上達しなかったけど、練習するのもみんなと合わせるの
もすごい楽しかった。
なんの因果か部長にまで昇進してしまって、半泣きも全泣きもため息も怒髪天もあっ
たけど、その一つ一つが自分の成長にとって大きなプラスになった。
偉大な先輩とかわいい後輩と心から信頼できる同期の人たち、一人一人が自分にとっ
てすごく大きな存在で、その人たちに囲まれて過ごしてきた自分の管弦ライフは本当
に充実したものだった。

本番、仮面のロマンスのソロで大失敗しようが、ドボ8の4楽章が始まらなかろう
が、それらは絶対に変わらない。
盗作だけど、明日の舞台でみんなと演奏できる事を、心から誇りに思う。


定演、頑張ろう。


2002/04/12(fri) 文責:つくし

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