●ミッチーのラコステ●

[NPO用語大辞典] [NPO人名大辞典]

○第9回 さほりんとの涙の再会 〜台風11号で帰れなくなってしまった編〜

そこは空がどこまでも続く緑豊かな場所だった。

初めての夜行バスに揺られて約10時間。窓から覗く景色は高層ビル群から朝日を受けて光り輝く瀬戸内海へと姿を変えていた。時は朝5:00普段だったら起きているはずがない時間である。まだ目的地に着いていないが、さほりんとの再会を目の前に興奮してしまって少し早く目が覚めてしまったようだ。

しばらくして、到着のS駅が見えてきた。私は早々に膝掛をたたみ、スリッパを脱いで靴に履き替え、椅子のリクライニングを直してもういつおりても万事OKの体勢になると食い入る様に窓の外を見つめた。そして私はさほりんを発見したが、向こうはまだ私に気づいていない。駅に到着すると、我先にとばかりにバスから飛び降りた。(いや、飛んではいませんが。)そこには東京駅まで私が見送りに行った5ヶ月前と変わらないさほりんの姿があった。

「久しぶり!夜行バス大丈夫だった?」

それが第一声だった。東京にいた頃と何も変わっていない優しいさほりんだった。

あ、遅くなって申し訳ないが、ここでさほりんのことを知らない方々の為に少し紹介をしよう。さほりんは、今年の3月まで我が部でヴィオラを弾きそして、副部長をしていた。55thならみなさん御存知だろうが、さほりんは副部長としても人間としてもすばらしい人であった。献身的に部長を助け、出席率も部内トップクラス、そして何よりも部員の事をだれよりも考え心配し、香川に行った後もそれはかわらないままだった。さほりんのすばらしいこところは数えきれないほど多い。温和で優しく、人の話を丁寧に聞き、誰にでも同じように接する。そんな人である。

とまあ、紹介はこの辺にしてその後の私達の様子を記そう。 あの後車に乗ってさほりんの家に向かった。着いた家は立派な昔ながらの日本家屋であった。細工が凝らしてある瓦屋根、管弦が合宿できるのでは?と思うほどの広い室内、そして家の周りには、朝日を受けて光り輝きながら風に揺られ、息を呑むくらい鮮やかな緑の美しい水田が広がっていた。

私がさほりんとそのご家族に案内されて四国を楽しんだ事はここではおいておこう。 私達は毎晩朝の5:00位まで語り合った。私が持っていった定演のCDを二人で聞きながらさほりんの感想を聞いたり(上手いね、とのこと)、さほりんが抜けた後の部活の様子やこの間の合宿の話、一年生の話などなどを私が話せばさほりんはこっちでの様子を話てくれた。新しい高校では好きな地学をおもいっきり勉強していること、西高と違って規則が大変厳しいこと、大学のこと、将来のこと、いろんな話をしてくれた。

さほりんと過ごした時間は、あっという間だった。でも、会った瞬間からそれまでの空白の5ヶ月なんてなかったような気がした。そしてさほりんは今でもやっぱり部の心配をし、部活の事をとても考えてくれていた。今でもさほりんは部の一員であることに間違いはない。ここで良い知らせを一つ。まだ確定はしていないが、春休みに東京にくる予定とのこと。定演が春休みにあれば、ぜひ聞きに行きたいと言っていた。みんなに会えるのをさほりんも心待ちにしている。そしてさほりんから、部員全員に向けてのメッセージは

「記念祭がんばってね。」  

記念祭の演奏をビデオもしくはMDで送る約束をした。さほりんが素晴らしいと思ってくれる演奏をしたい。これを読んでさほりに急に会いたくなったり、話したくなったそこのあなた!!今すぐさほりんにメールを送ろう。きっととても喜んですぐにも返事が返ってくるに違いない。

(後書き)
とまあ、少々いや、かなり私的な文章になってしまい申し訳ない。そしてとってーも長くなってしまったような気がする。ほんとうはこの2倍くらい書きたいことはあったのだが、さすがにそれはまずいだろう、ということでこの長さにした。まだまだ聞きたいもしくは、さほりんの写真が見たい人は私まで言ってくれれば用意しときます。文章を書くのは本当に難しいなあと実感した今日この頃。

2001/08/28(tue) 文責:はるかさん

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